産地表示・品質表示

「これは、手造りの日本製の仏壇です。」と言って海外製を売りつける。

「紫檀の仏壇と言われて購入したら、紫檀調で紫檀が使われていなかった」などのトラブルが消費者庁へ多数寄せられました。

そこで、2012年4月に公正取引委員会、消費者庁より「仏壇の表示に関する公正競争規約(仏壇公正競争規約)」の認定と同施行規則の承認を受け、仏壇公正取引協議会が設立されました。

全国的な組織である仏壇公正取引協議会を立ち上げ、お客様とお店の間で仏壇の公正な取引が行われるように規約を設け、お客様にわかりやすく原産国と品質の表示を行うことを義務付けました。この動きに賛同する仏壇店は、この協議会に入会し、規約に則り2013年4月より、原産国と品質の表示を行っています。この協議会の会員のお店は、店頭に会員証が表示されていますので、ご確認下さい。もちろん、当店もこの考えに賛同して会員になっています。

会員マーク
チラシ、パンフレット、名刺等印刷物に使用されます。
店頭ステッカー
店舗のガラス扉などに貼付して使用されます。

【仏壇公正取引協議会HP】
http://www.butudan-kousei.com  協議会会員リストも掲載あり

 

≪産地表示について≫

産地表示は、主要な部分をどこで作ったかということであり、品質基準の取り決めはありません。

仏壇公正取引協議会による定義

国産とは、

【金仏壇】

金仏壇の工程は木地、宮殿、彫刻、錺金具、蒔絵、塗り、金箔押し、組立・仕上げの8工程があり、このうち木地、塗り、金箔押し、組立・仕上げの4工程と宮殿、彫刻、錺金具、蒔絵の4工程のうちの1つ以上の工程を国内で行った製品が「国産」「日本」の表示となります。

【唐木仏壇】

唐木仏壇の工程は木地、宮殿、彫刻、塗り、組立・仕上げの5工程があり、このうち木地、塗り、組立・仕上げの3工程以上を国内で行った製品が「国産」「日本」の表示となります。

【家具調仏壇】

唐木仏壇に準じます。

 

地域団体商標「彦根仏壇®」とは、彦根仏壇のブランド向上、海外製との差別化を目的として、彦根仏壇事業協同組合(以下組合)が登録したもので、滋賀県彦根市及びその周辺地域において主要な生産工程が行われた仏壇を言います。

証明として、仏壇本体側面右上部に、彦根仏壇®のシリアル番号入りシールを貼付しています。

 

仏壇公正取引協議会会員店は、原産国表示が義務付けられています。

詳しい情報は、仏壇公正取引協議会HP http://www.butudan-kousei.com をご覧ください。

 

≪品質表示について≫

【金仏壇】

店頭においては、木地主材料・正面表面仕上げ(台輪・大戸)・主な金箔・金粉等の内容を表示します。

【唐木仏壇】

店頭においては、正面表面材(台輪・戸板・大戸軸)・主材料・表面仕上げの内容を表示します。

【家具調仏壇】

唐木仏壇に準じます。

 

仏壇公正取引協議会会員店は、品質表示が義務付けられています。

詳しい情報は、仏壇公正取引協議会HP http://www.butudan-kousei.com をご覧ください。

 

≪彦根仏壇組合独自の品質基準で作られる検査仏壇について≫

伝統的工芸品とは、「彦根仏壇®」の中でも、すべて産地内製造にこだわり、組合が独自に厳しい品質基準を設け、無垢材、天然漆を用いて伝統的技法を使って手造りしたお仏壇です。書類(職人のサインと押印入り)申請による書類審査と検査員による現物の品質検査を経て合格したお仏壇です。伝統証紙・検査合格書・焼印によって品質が保証されています。

 

彦根仏壇組合合格壇とは、「彦根仏壇®」の中でも、伝統的工芸品の厳しい品質基準を少しゆるめた形で、組合が取り決めた基準で手造りしたお仏壇です。伝統的工芸品同様に、書類審査と品質検査を経て合格したお仏壇です。検査合格書・焼印によって品質が保証されています。

伝統的工芸品の焼印

伝統的工芸品
検査合格書

彦根仏壇組合
合格壇の焼印

彦根仏壇組合合格壇
検査合格書

 

伝統的工芸品組合合格壇彦根仏壇®
木地天然材(桧・杉・松・欅・栓等)
組合認定の合板一部使用も可
産地内製造
伝統的工芸品に準じる
合板、突板合板も一部使用
産地内製造
滋賀県彦根市及びその周辺地域において主要な生産工程が行われた仏壇という生産地域の決まりはあるが、品質基準は、設けていない。
宮殿天然材、妻屋根付総手先、桝組
産地内製造
伝統的工芸品に準じる
外国製も一部使用
木彫刻天然材で手彫による丸彫、重彫、付立彫
概ね産地内で製造
伝統的工芸品に準じる
国内産地
外国製も一部使用
錺金具真鍮、銅板の手彫金具で毛彫・浮彫・地彫・スキ彫
三段・柱は電鋳金具を使用可
手彫金具は産地内製造
伝統的工芸品に準じる
国内産手彫金具の他、電鋳金具、プレス金具も一部使用
塗装堅地、砥の粉下地。立塗、呂色塗天然漆を刷毛で手塗
小物については樹脂塗料のスプレー塗装も一部使用可
産地内製造
伝統的工芸品に準じる
樹脂塗料のスプレー塗装も一部使用
金箔押金箔、箔押漆、純金粉、箔箸を使って手押し
産地内製造
伝統的工芸品に準じる
箔押漆、天然樹脂塗料も一部使用
蒔絵天然漆、顔料、金粉、蒔絵用泥手描き
産地内製造
伝統的工芸品に準じる
国内品であること
組立
彦根産地で製造されていること
産地すべて彦根産地内製造七職のうち、木地を含む三職以上が彦根で製造し、金具・蒔絵は、国内で製造七職のうち、三職以上が彦根で製造(ただし、ここでいう製造とは、その職種を100%製造の事)

仏壇公正取引協議会の定義する国産であること

※彦根仏壇事業協同組合資料より引用及び加筆

 

経済産業大臣指定「伝統的工芸品」とは

「伝統的工芸品」とは、次のすべての要件を満たし、経済産業大臣の指定を受けた工芸品です。

1.     日常の生活で使用される工芸品

日本人の生活に密着し、一般家庭で使用される工芸品です。
ふだんのくらしのほか節句や冠婚葬祭など、毎日に使うもの、毎年の季節ごとに使うもの、一生の間に一度ないし数度使うものなどがあります。美意識の表現を主とする芸術作品とは異なるものです。

2.     製造工程の主な部分は手づくり

製品の持ち味に大きな影響を与える、形状・意匠・紋様・風合いなどの加工が手しごとにより行なわれます。
専門の職人が先人から受け継ぎ、長年の経験や修練により体得した、美しい仕上りと耐久性に富む極めて優れた手しごとです。

3.     伝統的な技術・技法によって製造される

主な技術・技法が100年以上前から今日まで継続して用いられています。
産業技術の近代化以前に確立され、専門の職人による見事な手さばき、くふうのこらされた道具や段取りなど、手しごととしての合理性を極限にまで高めた、貴重なノウハウにより製造されます。

4.     伝統的に使用されてきた原材料が用いられる

主な原材料が100年以上前から今日まで継続して用いられています。
合成素材によらず、産業技術の近代化以前からもともと使われていた、地球の環境にやさしい天然の素材が用いられ、リメイク・リユース・リサイクルも容易です。

5.     一定の地域で産地形成がなされている。

産業として成立し一定の産地で製造される工芸品です。
全国各地の歴史や風土など地域の個性を特徴づける、ふるさとの特産品として親しまれています。

以上に加え、伝統的工芸品の産地では優れた完成度を備えているかなども含めた検査を行い、合格した製品にのみ「伝統マーク」を使った証紙が一品ごとに貼られます。この意味で「伝統証紙」は本物の証<あかし>です。

財団法人 伝統的工芸品産業振興協会資料より引用