伝統型唐木仏壇へのお買い替え。紫檀系18号日本製、天台宗のお仏壇。滋賀県甲良町のお客様

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日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております、井上仏壇の井上昌一と申します。

滋賀県甲良町のお客様より、以前使われていた仏具等を利用した、伝統型唐木仏壇へのお買い替えをいただきましたのでご紹介いたします。

 

伝統型唐木仏壇 胴長 紫檀系 18号 日本製 滋賀県甲良町のお客様 天台宗のお仏壇

 

今回のお客様は甲良町の方で、お仏壇のお買い替えを検討されていました。彦根のお店を何軒か回られていましたがなかなか気に入るものがなく、お知り合いの仏壇職人さんに相談されたそうです。その方が、たまたま私どものお仏壇の木地作りをしてくださっている方で、当店をご紹介くださってご来店になりました。甲良町は隣町ですので、お仏壇をお求めに彦根にお越しになる方は多いです。

お話を伺うと、ご自宅の建て替えにともなって、大きなお仏壇から小型仏壇に買い替えようと考えているとのことでした。建て替えにともなったお仏壇のお買い替えはよくありますが、建て替えが始まる前に新しいお仏壇を決めておいて、古いお仏壇を引き取ってもらうという流れが多いです。寸法などの合う色々なお仏壇を見ていただいたところ、気に入っていただいたお仏壇がありましたのでご成約いただきました。また、ご本尊や仏具は使えるものは再利用したいとご希望でしたので、お手持ちをきれいにすることをご提案いたしました。

 

こちらは古いお仏壇に祀られていた仏像です。台座と光背(後光)もついていましたがかなり古くなっていてサイズも合わなかったので、仏像本体(仏身)だけを残してきれいにし、台座と光背は新しいものをお付けして、またお祀りすることになりました。

 

年代ははっきり分かりませんでしたが、見たところ相当古くから、江戸よりも前に作られたものかもしれないご本尊でした。この部分は土台の一部で、下の台座に差し込んであった箇所です。小さい虫食いも何か所か見られたので交換しましたが、何百年の長い歴史のあるご本尊ですので、残したいというお気持ちも分かりますね。

 

【掛け軸 表】

こちらもお手持ちの掛け軸です。天台宗のお仏壇にお祀りする両大師様の掛け軸で、檀家寺様からいただいたものだそうです。西陣織の貴重な由緒ある掛け軸で、こちらも残したいとご希望でした。

 

【掛け軸 裏】

裏側から見るとよく分かりますが、一般的に見られる仏画掛け軸とは違って、織物でできています。表具屋さんに相談したところ、少し汚れも見られましたが修理は難しいとのことで、お客様にお話しし、ホコリを取るなどできる限りできれいにして再度お祀りすることになりました。もともと小さめのものでしたので、サイズダウンなどもせずに掛けられます。

 

【幢幡瓔珞(どうばんようらく)金メッキ前】

こちらは幢幡瓔珞(どうばんようらく)という上に吊るす仏具です。笠の部分と下がりの部分を吊って飾るのですが、もともと良いものを使われており、もう一度金メッキをし直せばまた使えそうでしたのでご提案しました。右のように、ビーズなどの小さい部品も一度取り外して洗い、金メッキをし直します。

 

【花立火立色付け前】

花立と蝋燭立です。大きなお仏壇のサイズでしたので新しいお仏壇の中には置けませんが、手前の経机の上になら置くことができるので、表面に色付け加工をしてお使いいただくことをご提案しました。

 

【鉦吾(しょうご)磨き前】

鉦吾(しょうご)という仏具です。こちらは黒ずんでいたので、磨き加工を行います。色々なお手入れ作業を進めて、新しいお仏壇をお納めさせていただきました。

 

【伝統型唐木仏壇 胴長 紫檀系 18号 日本製】

ご納品のときのようすです。従来からの伝統的な形の唐木仏壇です。従来型は、お障子と扉が両方あり、お仏壇の中は彫刻やお屋根など伝統的な造りが特徴です。唐木仏壇は黒檀や紫檀などの唐木銘木を使ったお仏壇のことを言います。18号はお仏壇のサイズで、扉を閉めた時の扉幅が1尺8寸(約55cm)ということを指しています。

 

ご本尊は仏身だけを利用して、新しい台座に差し込んで調整しました。光背も新しくなっています。左右は西陣織の掛け軸で、その手前に下がっているのが幢幡瓔珞です。金メッキをして下がりも吊り直し、中には照明も入っています。

 

お仏壇手前に経机を設置しました。お仏壇の中では火やお線香を焚かず、こちらでお参りをします。ここに、色付け加工をした以前の花立てと蝋燭立てを置きました。また、木魚はお手持ちのものに漆を摺り込んできれいにし、その奥には磨き直しをした鉦吾を置いています。見えにくいですが、おりんもお手持ちのものをセラミック加工できれいにしました。

 

仏間用すだれも、仏間に合わせて特別にお作りしました。また、新しいご自宅に合わせた床の間用すだれや、神棚と神具セットもご購入いただきました。お客様には、以前から使われていた仏具なども見違えるようにきれいになって、よかったなあととてもご満足いただけました。このたびは、ご用命いただきましてありがとうございました。何かございましたら、いつでも何なりとご連絡くださいませ。

大きなお仏壇から小型のお仏壇へお買い替えされるケースはブログでも度々ご紹介していますが、以前のお仏壇で使われていた仏具等を、できればまた使いたいというご希望はよくいただきます。古くなったものでもきちんと状態を見極めて、きれいにしたり加工し直したりすることでよみがえり、これまで大切にお参りされてきたお仏壇の一部を次の世代にも受け継いでいくことができます。今回は、一見新しいお仏壇のように見えても、何百年と歴史のあるご本尊や由緒ある掛け軸、立派な仏具など、もともと使われていた良いものを残すことができました。これからも末永くお祀りいただければ嬉しい限りです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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