伝統とモダンのバランスを、ご希望に沿って調整した紫檀系仏壇。真宗仏光寺派、滋賀県米原市のお客様

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日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております井上仏壇の井上昌一と申します。

今回は、滋賀県米原市のお客様より、紫檀系仏壇をご購入いただきましたのでご紹介いたします。

 

滋賀県米原市のお客様 真宗仏光寺派 紫檀系仏壇

 

今回のお客様は、数十年前に奥様のご実家が、当店のお仏壇をご購入いただいていたのがご縁で、ご来店くださいました。お仏壇のお買い替えをご希望でした。もともとあった大型の仏壇が古くなったのでということでしたが、この機会に小型のお仏壇へのお買い替えを考えておられました。

 

店内に展示しているお仏壇を色々ご覧いただきました。当店では、伝統的な金仏壇のほかにも、唐木仏壇や家具調仏壇など、多数のお仏壇を展示しています。

お客様のお住まいの地域は、従来型の伝統的な金仏壇を置かれているお家が多い地域です。お客様は、将来このお仏壇を受け継いでいくことを考えると、伝統的な金仏壇に比べて取り扱いがしやすいということで、唐木仏壇を気に入っておられましたが、地域的にあまりモダンなデザインのものは・・・と少し抵抗があったようでした。そこで、お客様のご希望や地域性を考慮して、従来の伝統的なものと、シンプルでモダンなお仏壇の中間くらいのものをご提案してご用意させていただくことになりました。

 

お客様宅に以前からあったお仏壇です。とても立派な浜仏壇で、大きさも仏間いっぱいの幅があります。新しいお仏壇はサイズが小さくなるので、この仏間の隅に寄せるかたちで設置することになりました。

 

新しいお仏壇を設置した様子です。以前のものに比べると幅も半分で、かなりすっきりとしました。お仏壇本体は、シンプルでモダンな紫檀系のお仏壇です。唐木仏壇の中でも、真っ黒の黒檀より、赤みがあって柔らかな印象のこの紫檀系を気に入られました。

 

仏具については、伝統型仏壇と同じ、宗派に合った本格的な仏具をフルセットでお付けしています。伝統的な部分も大切に考えておられるお客様のため、このモダンなお仏壇には、通常は省略している吊り仏具等もすべてご用意することで、ご希望を叶えられるようにしました。

ご本尊とその両脇の仏画掛軸も今回新調いただきました。以前おまつりされていた掛軸はこのお仏壇には大きすぎたので、新しいお仏壇に合ったサイズの掛軸をご用意しています。中央は阿弥陀様で、後光の表現なども仏光寺派独特のものです。左右は九字十字名号といってお念仏を書いたものです。この両脇の掛け軸も左右のかけ方などは独特のもので、同じ浄土真宗でも違いがあり、こちらは仏光寺派の伝統的な祀り方です。掛け軸の外周の金襴部分には、仏光寺派の宗派の紋(宗紋)の下がり藤が入っています。

 

両脇に下がっている明かりの灯っている飾りは、輪灯(りんとう)といい、これも仏光寺派用のものです。一番下の丸い形の部分が仏光寺派の宗紋(下がり藤)になっています。灯篭の両脇には、隅瓔珞(すみようらく)という飾りもおつけしました。これらの吊り仏具は、こうしたモダンなお仏壇では通常は省略し、必要最低限のシンプルな仏具をお付けしていますが、今回はすべてお付けしたことで、お客様のご希望通り、伝統的な部分を残したモダンすぎない印象で、かつお手入れもしやすいお仏壇にすることができました。

吊り仏具を吊るためのお仏壇ではありませんので、吊る位置や、明かりの灯る仏具の配線に苦労しましたが、何とかすべての仏具をおかざりできました^^

 

お仏壇の中の照明は、蝋燭も含めてすべてLED照明です。お参りする際は、こちらの経机で蝋燭とお線香を焚いていただいています。お仏壇の中で火気を扱うのは危険もありますし、お線香や蝋燭の油煙で汚れたりもしてしまいますので、最近はこうした形が多いです。

お仏壇の下部は、観音開きの収納になっています。お年忌の際しか使わないような仏具などを収納することができます。

 

設置の完了したお仏壇をご覧になったお客様は、以前の大きなお仏壇に比べるとどうしても「小さいなあ・・・」と感じられたようですが、これでお手入れのしやすい、将来安心して子や孫に受け継いでいくことができるお仏壇になったと喜んでいただけました。長い間、大きな古いお仏壇が気になっていたそうなので、念願叶って自分の代で新調することができたと安心されたようでした。以前のものと比べると確かに大きさはかないませんが、伝統的な部分もしっかりと残しつつ、お仏壇内部はとても明るく安全でお手入れがしやすいという、素敵なお仏壇になったと思います。大切に受け継いでいっていただけますとうれしく思います。

伝統的な大型の金仏壇を、小型のモダンな仏壇に買い替える、というケースは当店でもたびたびご相談いただきます。生活様式の変化なども関係するのかもしれませんが、そうした流れは主流になっているのかなと思います。ただ、伝統とモダンのバランスをどのくらいの割合にするかということは、お客様それぞれで違います。当店では、今回のお客様のように、伝統とモダンのどちらか一方に限定することなく、ご希望に合わせて細かく調整することができます。また、ご自分での判断が難しい場合には、ご希望を詳しく伺ったり、地域性なども考慮しながら、お仏壇専門店ならではの知識や経験を活かして、こちらからもご提案を差し上げるようにしています。こうしたお買い替えは、ご自分でも決めかねたり、迷われたりすることもあるかと思いますが、どうぞ安心して、まずはお気軽にご相談いただきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。