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日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております、井上仏壇の井上昌一と申します。

甲賀市のお客様へ、モダン金仏壇「花菱」をセミオーダーで製作しました。その際の様子をご紹介いたします。

【納品時のお写真】

 

今回ご依頼くださいましたお客様は、ご主人を亡くされた奥様です。ご自宅にお仏壇がなく、「仏壇を購入しよう」とお考えだったのですが、「仏間を作るべきなのか?」「床の間に置いても良いのだろうか?」「畳の上に置いてもよいのだろうか?」「どのようなお仏壇にすれば良いのだろうか?」と、お仏壇について様々な疑問や不安をお持ちのまま、ご来店されました。

そこで、当店の展示場にて、実際にお仏壇を見ていただくことになりました。

さまざまなお仏壇をご覧いただいた中で、こちらのモダン金仏壇「花菱」を気に入っていただきました。モダン金仏壇をお選びいただいた理由は「代表的な金仏壇のように大きすぎず、けれども伝統的な彦根の塗りのお仏壇を感じることができる」というところだと、お話をいただきました。

 

こちらは扉を閉じた際に見える、胡蝶蘭の蒔絵(※1)です。 胡蝶蘭は多く使われるモチーフのひとつですが、「お花のデザインは、少し、主人のイメージに合わないように思います。」とお話をいただきました。

(※蒔絵:まきえ・・・まず漆で絵を描き、漆が乾く直前に金粉を蒔き、漆が乾くと金粉が密着する、という伝統的な技法)

お客様に「お花ではない蒔絵のデザインはできますか?」というお話をいただきましたので、デザイナーに相談をし、お花以外のデザイン案を出してもらいました。

こちらは”流水”という、流れる水をイメージしたデザインです。流水は日本画の琳派がよく用いるモチーフです。そちらを少しアレンジしました。

こちらも流水の別のデザイン案です。

 

こちらは一般的な流水のデザイン案です。

 

こちらは雲と月のイメージです。

 

こちらは雲をイメージしています。

こちらの5つのイメージをお客様にご提案いたしました。お客様はイメージ案を大変お喜びくださったのですが、最終的には「CGだけでは、実際出来上がった時にイメージと違うことがあるかもしれませんので、実物を目にしたことのある胡蝶蘭のデザインでお願いしようと思います。」というお言葉をいただきました。

最終的に展示品と同じ胡蝶蘭をお選びいただくことになりましたが、さまざまな案をご覧いただいた後にさまざまな思案をされた後の決定ですので、お客様のお気持ちがスッキリされたようで、私もホッといたしました^^

 

さて、こちらはお仏壇の内部のお写真です。黒い部分は塗りの部分で、金の部分は金粉で仕上げてあります。

一番下の引き戸には胡蝶蘭が蒔絵で描かれ、中は収納になっています。その上にある部分は真ん中が観音扉のようになっていて、小物入れになっています。4つの丸の部分は花菱の柄をあしらっています。

 

こちらはお仏壇の内側の側面や柱の赤く塗ってある部分のサンプルです。展示品をご覧いただいた際に「側面の色をもう少し暗めの色にできませんか?」とご要望をいただいていましたので、色のサンプルをご用意しました。濃いめの色を選んでいただきました^^

 

お客様は浄土宗ですので、展示品にもご本尊である阿弥陀如来像や両大師様を設置して確認しているところです。両大師様は掛け軸をお選びいただくこともできますが、お客様は3体とも木仏像をご希望でした。その際、両大師様の大きさをお選びいただけるよう、大きめのサイズと小さめのサイズの2パターンをご用意して納品に伺いました。

 

納品日です。当店へご来店くださった当初は「仏間を作ったほうがよいのだろうか?」と迷っていらっしゃいましたが、「やはり仏間を作ろう!」と、大工さんにご相談され、ご自宅の押し入れの一部を仏間に改装されていました。モダン金仏壇「花菱」をご購入いただくと決めた後に改装されていますので、幅や奥行などピッタリにつくってくださっています。

 

お仏壇が設置されました。実際のお仏壇の高さと仏間の高さを合わせると、少し窮屈な印象になってしまうと思いましたので、仏間の高さはお仏壇よりも高めに設定していただき、お仏壇用のすだれを設置いたしました。

 

2パターンお持ちした両大師様は、大きめのサイズをお選びくださいました。お飾りもさせていただき、納品完了です。

ご主人様を亡くされ、とてもショックを受けていらっしゃった中で、「主人が安心して入れるお仏壇を…」と、一から全部頑張ってお仏壇づくりを進めていらっしゃった奥様ですので、完成したお仏壇をご覧になり「無事に出来上がって安心しました。今の時代らしい、でも伝統的な彦根のお仏壇らしさもある、素敵なお仏壇に仕上げてくださってありがとうございました。」とお喜びいただきました。

当店は、お客様の「もうちょっと、違う色にできますか?」「この部分は違う柄にはできませんか?」というようなお客様のご要望に、出来る限りお応えで出来るようにと考えております。今回も、扉の蒔絵の図柄に関して、結果的にお客様には胡蝶蘭をお選びいただきましたが、少しでも「こうできたらいいのに…」「こんな風にしてみたかったなぁ…」というお気持ちのまま、お仏壇をおつくりすることのないように、という気持ちで、細やかなご相談やご要望にも応えられるように、デザイナーや職人と一致団結し、お仏壇づくりをさせていただいております。

今後も、ご要望にしっかりとご対応できることを第一に、お客様に喜んで頂けるお仏壇づくりをしていきたいと思います。