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日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております井上仏壇の井上昌一と申します。

滋賀県米原市のお客様からのご依頼で、仏像の修復を行いましたので、ご紹介いたします。

今回、修復した仏像は、奥様のご実家で以前お祀りされていたのですが、お祀りする方がおられなくなり、その後はお寺に預けておられました。在家の仏像としては、とても大きく立派であることから、このままお寺に預けておくより、自分たちでお祀りしたいとお考えになりました。ただ、そのまま仏壇に安置するには、総高さが高すぎたり、傷みがあったりという問題がありました。

そこで、当店にご相談をいただきました。仏壇に入るように台座の一部の切り離しと傷みが目立つ箇所の修復をご提案しました。修復は、ご予算の範囲内で、傷みが気になるところの耐久性と倒れないようする安全性を重視した内容となりました。

当店では、ご予算と傷む具合によって、金額や修復方法をご相談の上、案させていただいております。ご相談からお気軽ご用命くださいませ。

【作業前】

【作業後】

 

 

以下は、仏像修復を手かけた仏師さんの作業報告書となります。

【仏像名称】お東様用阿弥陀如来立像

□ 寸法
身丈1尺1寸 (約33㎝)/ 像高1尺2寸(約36.3㎝)
台座光背を含めた総高:1尺9寸7分(59.7㎝ 変更後)

□ 破損状態
仏身には大きな破損は見受けられなかったが、右足部材の接合が緩んでいた。また以前に手など接着補修をされた際の溶材のはみ出しが目立ち、尊容を損ねていた。
台座光背は部材の不足や接合部の割れも見受けられず強度の保たれた状態であったが、彫刻の破損、塗箔下地層の剥離が一部見受けられた。また蓮華座を支持するホゾ構造が緩み、不安定な状態であった。

□ 作業概要
仏身は最低限の補修とし、台座光背は洗浄箔補修を施した。
また台座の構成変更を行った。

1)部材解体・埃払い・洗浄
・仏身、台座光背ともに作業に必要な最低限の範囲で部材を解体した。
・仏身右足、蓮華座は接合が緩み不安定な状態であったため、一度取り外して接合面を整えた。
・仏身、蓮華座に堆積した埃などを柔らかい刷毛を用いて払い落とした。
・台座光背塗箔部には和紙をあてた上からアンモニア水溶液を刷毛で塗布し、油煙等を洗浄除去した。

2)部材接合・破損修理・ホゾ調整
・脱落部材を接合し、接合箇所を補修した。
・台座は下層を廃し、反華(伏蓮華)下の框をジスリとなるよう変更して底面を整えた。
・台座内部に補強材を組み込んで強度を向上させた。
・蓮華座、光背部材も締め直し、強度を向上させた。
・仏身肩部など塗箔剥離箇所を固定し、補修した。
・仏身左足など接着溶材のはみ出した接合部及び、右手指先などの段差を補修した。
・破損個所を補修した。

3)部分塗箔・彩色
・破損補修箇所に部分的に下地を塗布し、金箔・彩色で色合わせを施した。
・面相を描き入れ、螺髪には色味を戻す程度に彩色を施した。
・全体を組上げ、補修作業完了とした。

【作業前】

 

仏様・光背共に前のめりになり、安定性に欠けています。

右足を接合し直し、両足共に接合部の溶剤のはみ出しなどを補修や色合わせを施しました。

右手指先の段差を均しました。

右肩など塗箔層剥離箇所を固定し、色合わせを施しました。

 

眉や口髭など面相を描き直し、螺髪には色味を戻す程度の補彩色を施しました。

 

お仏壇の中に安置できるように高さ調節のため、台座下層を廃し、構成を変更しました。

 

台座内部に補強材を組込み、強度を向上させました。

 

塗箔表面に和紙をあてがい、上から刷毛で案裳に溶液を塗布。

油煙等を剥離させて洗浄除去しました。

 

 

洗浄除去後、破損個所を補修。

補修箇所及び箔擦れが目立つ箇所に金箔を置いて周辺箇所と調和させました。

 

光背も同様に締め直し、洗浄・破損補修した後に、箔擦れ箇所へ金箔を置いて調和させました。

 

 

【補修作業完了】

光背は、まっすぐに立つように調整しました。

仏様は、まだ傾いていますが、倒れないように調整しております。

仏様は、民衆をお救いに行くため、一歩足を進めるがごとく、前に傾いておられます。

一歩ふみ出そうとするお姿は、まさに迷える衆生を救わねばという阿弥陀如来の大悲大願の行をあらわしています。

お仏壇の安置しました。

 

修理が完了し、とても立派な浜仏壇に安置され、仏様も喜んでおられるようです。

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。