黒檀風金仏壇へのお買い替え。真宗大谷派、岐阜県各務原市のお客様

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日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております、井上仏壇の井上昌一と申します。

岐阜県各務原市のお客様より、黒檀風金仏壇へのお買い替えをいただきましたので、ご紹介いたします。

 

黒檀風金仏壇 日本製 真宗大谷派  岐阜県各務原市のお客様

 

岐阜県各務原市にお住いのお客様が、彦根市にある当店までお越し下さいました。当店のホームページにあったお仏壇が気になるとのことで、お住まい近くのお仏壇店でほとんど決めておられたそうなのですが、「気になるから遠いけれど一度行ってみよう!」と高速でも1時間ほどかかる距離をわざわざお越しくださいました。そのお仏壇は、金仏壇と唐木仏壇の良いところをあわせ持ったような、他店にはあまりない黒檀風金仏壇です。

その日は、そのお仏壇を大変気に入ってお帰りになりましたが、前述のとおり他店で決めかけていたので、ご成約までには至りませんでした。後日、ご連絡を下さり、あのお仏壇を購入したいとお話いただきました。当初は黒檀か紫檀かは決まっていませんでしたが、最終的には黒檀をお選びになり、20号というサイズでご成約いただきました。今回の仏壇購入(買い替え)の動機は、ご自宅の建て替えに伴ったもので、お越しになった翌月にはお家の解体が始まるとのことでしたので、家屋解体にあわせて古い大型金仏壇(名古屋仏壇)を引取り、同時に表装直しして再びおまつりするご本尊と両脇の掛軸などもあわせてお預かりしました。

 

【修理前サイズ確認時】

今回はお客様のご希望で、本尊と両脇の掛け軸を修復して新しいお仏壇にかけることになりました。こちらは、掛軸の修理の際にサイズを確認するため、新しいお仏壇と同じタイプのものに掛軸をかけてみて、修復前にバランスを見てみたところです。以前のお仏壇は大型の名古屋壇だったのですが、お仏壇のサイズからは少し小さめの掛軸をかけられていたので、今回の新しいお仏壇にも幸い対応可能でした。

 

本尊・両脇掛軸の修復前の状態です。中央が阿弥陀様、左が親鸞聖人、右が蓮如上人です。上が表、下は裏面ですが、サイズは三つとも違いますし、周りの表装の柄も違うので、おそらく作られた時代が違うのだと思います。

 

修復後の掛軸です。こちらは掛軸専門の職人が作業を行っています。掛軸は、裂(布)や紙を何層も重ねて貼って作られており、それぞれはがして取り外すことができます。本紙(絵が描かれている紙)は、めくってほこりや汚れを取り除いてきれいにし、周りの部分はきれいな表装に新調して、そこに本紙を貼って仕上げます。

 

本尊の阿弥陀様の裏書きです。上が修復前、下が修復後です。修復の際は、本尊の裏に必ず書かれている「方便法身尊像」(※)という言葉の書かれた部分を、新しい掛軸の裏に貼り付けることになっています。また、本山の当時の門主様のお名前が書かれていたりするので、その阿弥陀様の描かれたおおよその年代が分かることもあります。

※「方便法身尊像」:本来は色も形もない阿弥陀如来の真実の用(はたら)き=「法性法身(ほっしょうほっしん)」が、私たちにも見え、理解できるよう、姿形を現わしていること=「方便法身」を意味しています。

 

 

ご自宅の建て替えが完了して、お仏壇を納品させていただきました。黒檀風金仏壇 20号日本製のお仏壇です。

 

店頭にあったのはもっと赤みのある紫檀でしたが、黒檀をご希望でしたので、新築完成までにお作りして納品させていただきました。お仏壇の内部や外観は伝統的な金仏壇の宗派に則った仕様となっており、仏具もお東の正式なものをお付けしています。外側は黒檀で金箔をあまり使わず、シックな形です。こうした伝統的な金仏壇と唐木仏壇の良いところをあわせ持ったお仏壇は、しっかり宗派に則ったものにしたいけれど、伝統的な豪華な金仏壇にはしたくないというご要望をお持ちの方にご好評いただいています。

また、反射して少し見づらいですが、打敷(三角の布)の下の引き出しなどにある蒔絵は、「磨き蒔絵」といってお重箱などにも描かれるような高級な蒔絵で、このお仏壇の中でも手の込んでいるところです。

 

修復した掛軸は、仏壇にぴったりのサイズとなっています。左右に下がっているきらびやかな仏具は輪灯瓔珞(りんとうようらく)といって、お東(真宗大谷派)の正式な仏具です。香炉や亀の上に鶴が乗った形の蝋燭立て、ヒレや宗紋が付いた華やかなお花立ても同様です。

 

内部はこのように通常の金仏壇と変わらないくらいきらびやかで豪華です。ただ、通常の金仏壇では扉の裏側も金箔を貼っていますが、黒檀の扉は裏側も木目になっていて、シックな雰囲気を醸し出しています。さらに、扉を閉めると、全体が艶消しでさらにシックさを増します。伝統を保ちつつ、現代的なお部屋にも溶け込むお仏壇です。

 

経机はセットでお付けしています。右側にある御文箱(おふみばこ)は、このお仏壇ではもう少し小ぶりなものをお付けするのですが、以前からお持ちの大型の御文をお使いになるとのことでしたので、それに合った大きいサイズとなっています。赤い蝋燭は、お魂を入れる時のためのものです。

 

とても日当たりのよい、明るいお部屋に納めさせていただきました。お仏壇上のすだれも、ご来店時にとても気に入っていただいたので、寸法に合わせたものをお作りしました。新築されたお部屋の雰囲気にもピッタリですね^^ お客様にもイメージ通りだととても喜んでいただけました。

 

ご納品時にお話を伺ったのですが、こちらは息子様ご夫妻の新居だそうです。お店にお越しになったのは親御様で、息子様ご夫妻にはこの時初めてお仏壇をご覧いただき、「立派ないい仏壇だね」ととても気に入っていただけました。今回のお買い替えには、今後お仏壇を継いでいかれる息子様方にも継いでいきやすいようにというお気持ちもあったと思いますので、実際に気に入っていただけて本当によかったです。また、親子でこれからも末永く受け継いでいこうとされているお気持ちが伝わり、お仏壇を扱う者としてとても嬉しく思いました。このたびは当店にてお仏壇のお買い替えをいただきまして、ありがとうございました。何かございましたらいつでもお声かけくださいませ。今後ともどうぞ末永くよろしくお願いいたします。

今回は、車で1時間ほどの岐阜県各務原市からお越しくださったお客様のお仏壇のお買い替えをご紹介いたしました。最近同じように、一度は近くのお仏壇屋さんで決めようとされていたところを、なんだか物足りないということでお越し下さる方もおられます。彦根でのお仏壇作りは、伝統的な彦根の金仏壇をはじめ、他にはあまり置いていないようなお仏壇など、産地だからこそのバラエティーに富んだ豊富な品揃えの中からご希望のお仏壇を選ぶことができるのが魅力です。また、展示しているお仏壇をそのまま購入するだけではなく、部分的にカスタマイズしたり、今回のようにお時間があればオーダーでぴったりのものをお作りすることもできます。彦根にお越しになれば、心から納得のいく理想のお仏壇と出会えるかもしれません^^ ご希望にぴったりのお仏壇をご提案して、「遠くからでも来た価値があった!」と思っていただけるよう、お一人お一人に応じた丁寧なご対応を続けてまいります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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