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日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております、井上仏壇の井上昌一と申します。

滋賀県彦根市のお客様より、お仏壇の洗浄(一部修復)及び部分復元修理等のご依頼をいただきましたので、ご紹介いたします。

 

滋賀県彦根市 お仏壇の洗浄・一部塗り箔修理等 天台真盛宗

 

彦根市にお住まいのお客様が、ご家族でお店までお越し下さいました。ご法要を迎えるのに合わせて、古くなったお仏壇のきれいにしたいとお考えで、当店だけではなく他のお店も話を聞きに回られました。数件回られた結果、見積り依頼先を当店に決めていただき、後日、ご自宅のお仏壇を拝見しに伺いました。

 

こちらは施工前のお仏壇です。購入されてから90年以上経過した、22号本三方開きの京壇です。長い間お線香・蝋燭を焚いてお参りをされてきたので、油煙や埃が溜まっていました。左右の扉の金箔もはがれています。お客様が気になっておられること以外にも、よく拝見すると破損や傷みが見られました。

洗浄と修復の具体的なお見積りをその場で作成し、細かい点までお打ち合わせをした結果、今回はご予算に合わせて、洗浄と部分的な塗り箔修理をされることになりました。気になるところだけを塗って金箔を押し直す作業になります。また、彫刻や蒔絵の部分的な修理も行います。

 

【分解前】

仏像や仏具などを取り外して、お仏壇をお引き取りしました。

 

左扉です。扉の黒く見えている部分が、金箔がはがれているところです。柱も同様に、所々金箔がはがれているのが分かります。

 

お仏壇内部の須弥壇です。金具や箔部分は全体的に黒ずんでいます。写真手前の金具は、青い錆が見られます。輪灯(りんとう)に使用する油をこぼされたことがと思われます。

 

引き戸の蒔絵です。足の部分がはがれて、唐草の模様が取れてしまっています。ここは、部分的に蒔絵師さんに直してもらいます。

 

お仏壇上部です。お仏壇内部には、お線香や蝋燭だけでなく、輪灯(りんとう)に灯浸み油を使用されていたため、油煙などでいぶされて真っ黒になっていました。

上部にある前狭間彫刻は、ツルの一部が欠けていました。右は首の部分がとれ、左は足がなくなっています。黒い油煙と汚れも溜まっていました。

 

確認を終えて、お仏壇を分解していきます。要所は釘で留めているところもありますので、どこをどう留めているか、傷めることがないように確認しながら、上の方からひとつひとつ取り外していきます。

 

分解したら、ひとつずつ手作業で洗浄を行っていきます。こちらは引き戸の蒔絵です。きれいに洗ってから修復をします。油煙で真っ黒になっていたところも同じように汚れを取っていきます。汚れが落ちてきれいになると、透明だった洗浄液が最後には茶色くなってしまいます。

 

洗浄を終えたら、すべて乾燥させます。上は障子、下は扉などです。室内で陰干しします。

 

洗浄後は、一旦仮組をします。歪みやキツいところがないか等を確認をして、不具合があれば木地直しをしてから塗り直しの作業に入ります。青いテープは、気になったことのメモ書きや位置を間違えないように付ける番付けです。

 

蒔絵修復の様子です。①は修復前です。②足元のはがれていたところに青い漆を何度も重ねて塗り、③上から梨地粉を蒔き、④それを平滑に研ぎしました。⑤唐草模様を入れるために金の粉を蒔いて、⑥最後に擦り漆で磨き上げて完成です。

 

こちらは彫刻修復です。足がなくなっていたところには足を付けて、このあと塗装して金箔を押し直します。その周りは金箔を直していませんが、洗浄でずいぶんきれいになっていますね。

 

首が取れてしまっていたツルは、取り外してから頭と足を付け、きれいに塗り直して金箔を押してから元に戻しました。

 

本体は、塗りと金箔押しの工程を経て、組み立てに入りました。汚れで黒ずんでいた金具もきれいに洗い、金メッキ(艶消し仕上)をし直しています。

 

こちらは引き戸を付ける場所です。奥はこのように左に二杯引き出しとなっています。ここもご覧の通り、きれいになりました。錆びや汚れが見られた金具もきれいな輝きを取り戻しています。

 

欠損部分の修復を終えた彫刻です。枠に入れて金具を打って取り付けます。工房ですべてを組み立てて、ご納品となります。

 

組み立てを終え、ご納品です。まるで新品のようにきれいになりました。

 

ご本尊は、洗浄して金箔が剥げたところを修繕しました。両脇は、今回お客様がご本山(西教寺様)でお買い替えされたものです。三具足(花立て・線香立て・蝋燭立て)と、両脇に下がっている明かりの灯った輪灯(りんとう)は、すべて真鍮製です。今回すべてお預かりして、表面を漆で焼き付けて色付け直しました。宮殿の屋根部分など、油煙で真っ黒になっていたところも、洗浄と一部金箔押し直しできれいになっています。

 

扉や柱のはがれていたところは、すべて塗り直してすべて金箔を押しましたので、とてもきれいに仕上がりました。お仏壇内部の仏具の明かりはすべてLEDになり、今後は本当のロウソクを灯すことなくお参りできるので、これまでのように油煙で汚れる可能性も少なくなりました。こうしてみると、新品にしか見えませんね^^

 

仏間の両側のすき間には、30cm巾の合収壇(仏間用すきま物入れ)2本も同時にご購入いただきました。

 

今回洗浄をさせていただたいお仏壇は、90年ほど前に作られた京仏壇でした。高い技術で作られたとてもいいお仏壇だったのですが、90年間そのままで古くなって汚れていたこともあり、日ごろお参りされてきたお客様にはご自分のお仏壇がそれほど良いものだとはわからなかったようです。ただ、蒔絵や彫刻など細かいところもとても質の高いお仏壇だったので、きちんと修復することでこうして新品同様にきれいにすることができました。今回の洗浄・修復は、きれいになったことを喜んでいただけただけでなく、ご自分のお家のお仏壇がとても良いお仏壇だということを改めて知っていただく機会にもなりました。もちろんお買い換えという選択肢もありますが、そうした意味でも洗浄・修復という方法をお選びいただいて良かったなと思いました。

今回の洗浄・修復で、これから50年以上、お子様やお孫さんの代まで末永くお参りいただけるようになりました。これから先も安心して受け継いでいっていただけますと嬉しい限りです。このたびは当店にお任せいただき、本当にありがとうございました。

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